先日は高齢者が住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられるような環境づくり『地域包括ケアシステム』についてお話しました。
*前回記事:「地域包括ケアシステム」における介護保険事業者の役割を考えてみた
今回は、『地域包括ケアシステム』の構成要素の一つである「予防」に焦点を当て、介護保険事業者がどのように高齢者の健康促進や介護予防に貢献できるかを考えてみたいと思います。
地域包括ケアシステムを支える「4つの助」
地域包括ケアシステムの実現には以下の『4つの助』が必要とされています。
- 自助:自分で自分を助けること
- 互助:互いに助け合うこと
- 共助:保険による助けのこと
- 公助:公(税金)による助けのこと
出典:厚生労働省|地域包括ケアシステムの5つの構成要素と「自助・互助・共助・公助」
そして近年は高齢化に伴い、介護保険サービス(共助)や公的事業(公助)だけでは支えきれない現状があります。健康維持や介護予防などの「自助」をベースとしながら、家族や地域住民によるサポート(互助)も受けつつ、それでも不十分なところは介護保険サービス等(共助)や公的支援(公助)で補うといった『4つの助』をうまく連携させる必要があるのです。
「自助」をサポートするために介護保険事業者にできる事とは?
先述の通り、地域包括ケアシステムにおいて「自助」はベースとなる重要な取り組みです。そこで、介護保険事業者として地域住民の「自助」を推進するためにできる取り組みは何か考えてみました。
- 健康チェックや介護相談会
地域住民向けに血圧測定や体組成測定などの健康チェックや、介護に関する疑問や悩みを専門家に相談できる機会を提供。当会でも過去に地域イベントにて体力測定や介護相談のブースを開いたところ、多くの来場者が参加してくれました。
*詳しくはこちら:地域イベントに出展!施設の外に出て地域と積極的につながっていく姿勢を大事に
- 運動や健康に関する啓発活動
運動や健康維持など「予防」の重要性に関する情報発信や健康講座を地域住民向けに開催。また、転倒予防体操や筋力トレーニングなどの運動教室を開くのも良いでしょう。
- 地域交流イベントの促進
地域住民同士がつながり、楽しみながら健康活動を行えるような環境づくり。当会でも、介護施設の空きスペースを利用して地域住民が交流できる機会を提供する『カイゴとチイキ』プロジェクトを推進中です。
*詳しくはこちら:カイゴとチイキ オープンミーティング開催します!!
介護保険事業者は地域包括ケアシステムにおいて、高齢者の健康促進や介護予防を担う重要な役割を担っています。このような地域に密着した取り組みを行うことで地域住民との関係性が築かれ、いつか介護保険サービスが必要になった時でも安心して利用しやすい環境づくりにもつながるでしょう。
豊中市介護保険事業者連絡会としても、今後も様々な取り組みを通じて地域住民の自助意識を高め、地域包括ケアシステムの実現に貢献してまいります。
コメント