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〒561-0881
豊中市中桜塚2-25-12-205

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高齢化が急速に進む日本社会では、介護施設やデイサービスに求められる役割も変化しています。
単に介助や医療的ケアを提供するだけでなく、利用者が自分らしい生活を維持・向上できるよう支援することが重要になっています。
その中で、リハビリ専門職の一員である作業療法士は、生活に直結するリハビリを提供できるユニークな存在です。
理学療法士が主に身体機能の改善を、言語聴覚士が主に言語や嚥下機能を担当するのに対し、作業療法士は「その人が日々の生活を送るために必要な活動」に焦点を当てます。
この記事では、介護施設やデイサービスで作業療法士が果たす役割を、現場視点でわかりやすく解説していきます。
作業療法士の仕事は、まず徹底した「評価」から始まります。
・身体機能(筋力・関節可動域など)
・認知機能(記憶力・判断力など)
・精神面(意欲・情緒の安定度)
・日常生活動作(ADL)や手段的日常生活動作(IADL)
これらを総合的に確認し、利用者の「今」と「できる可能性」を洗い出します。
その上で、本人や家族と話し合いながら「生活目標」を設定します。
例えば、「自分でトイレに行けるようになりたい」「もう一度台所に立って家族のために料理を作りたい」など、具体的な願いがリハビリの出発点です。
こうして立てられたリハビリ計画は、単なる運動訓練にとどまらず、買い物や金銭管理、交通機関の利用など、地域で暮らし続けるための力を取り戻すことにつながります。
作業療法士の大きな特徴は、生活の中で行うリハビリにあります。訓練室だけで繰り返す運動ではなく、実際の生活動作の中で機能回復を図るのです。
例えば、着替えや整容動作の練習は実際の衣類を使い、食事動作の訓練は食堂や台所で行います。買い物練習は施設内で模擬店舗を作ったり、近所のスーパーに同行することもあります。趣味活動(編み物、園芸、書道など)を取り入れることで、意欲の向上や社会参加にもつなげます。
デイサービスでは、集団レクリエーションの場でもOTが力を発揮します。例えば「輪投げ」や「風船バレー」も、ただの遊びではなく、バランス能力や反応速度を鍛えるリハビリとして設計されています。利用者は楽しみながら機能を維持できるのです。
作業療法士は、施設内の多職種連携の要でもあります。看護師とは健康状態や服薬の影響について情報交換し、理学療法士とは歩行訓練やバランス機能との役割分担を調整します。介護士や管理栄養士とは、食事姿勢や生活環境の整え方について意見を共有します。
さらに、認知症ケアでは介護士や生活相談員と協力し、行動観察を通じて生活環境や活動内容を調整します。例えば、落ち着かない利用者に対して「静かな作業活動」を取り入れることで、不安が軽減し、介護負担が下がることもあります。
また、家族支援も作業療法士の大切な役割です。自宅での介助方法や福祉用具の使い方を実演し、家具配置や住環境の工夫を提案します。時には行政や福祉用具業者との橋渡し役となり、退所後の生活を支えることも少なくありません。こうした支援が、家族の安心と継続的な在宅生活を支えています。

作業療法士は、「できることを増やす」だけではなく、「その人が自分らしく暮らす」ための支援者です。
生活に密着したリハビリは、身体機能の回復にとどまらず、心の安定や社会参加の促進にも大きな効果をもたらします。
介護施設やデイサービスで作業療法士が果たす役割は、利用者のQOLを高めるだけでなく、チーム全体のケアの質を引き上げるものです。
あなたの施設では、作業療法士の力を最大限に活用できていますか?
