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〒561-0881
豊中市中桜塚2-25-12-205

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介護の現場で日々書かれるケア記録。
そこには「歩行が自立」「食事は見守り」など、”できる” / “できない”の二択で記録されることが多いのではないでしょうか。もちろん基本的な動作の確認は大切ですが、それだけでは利用者の“生活機能”を十分に映し出すことはできません。
本当に支援が必要なのは「動作の可否」ではなく、その人がどのように暮らしているか、どの場面で困っているか、という生活機能の実態です。
そこで役立つのがICF(国際生活機能分類)。ICFの視点を取り入れると、従来のADL評価を超えて、利用者の生活に寄り添ったケア記録へと変わります。本記事では、IADL・活動・参加といった概念を現場で使える言葉に置き換え、アセスメントやケア記録に活かす方法を具体的に紹介します。
ICFは、人の生活を「心身機能」「活動」「参加」の3つの視点で整理します。
・心身機能・身体構造:身体や心の機能そのもの(例:足の筋力、記憶力)
・活動:具体的な動作や行為(例:歩く、食べる、服を着る)
・参加:社会的な関わりや役割(例:地域の集まりに出る、孫と遊ぶ)
これまでの記録は活動に偏り、「○m歩ける」「入浴は介助あり」といった情報で止まってしまいがちでした。ですが実際の暮らしでは、その行為が生活や社会参加につながっているかが大切です。
例えば「500m歩ける」よりも「自宅からスーパーまで歩いて行ける」という記録の方が、利用者にとっても支援者にとっても意味のある情報になります。
ICFを意識した記録は、従来の「できる/できない」から「どんな状況で、どこまでできるか」を描き出します。
たとえば――
・従来の記録:「歩行が可能」
・ICF的な記録:「10分間は休まず歩けるが、買い物袋を持つと途中で休憩が必要」
このように状況を添えるだけで、利用者の課題や支援の方向性が具体的に見えてきます。
さらにICFの要素を現場言語に置き換えると、記録に厚みが出ます。
・IADL(日常生活関連動作)
→ 「昼食後に自分で薬を準備できた」「電子レンジを使って夕食を温められた」
・活動
→ 「10分間の歩行訓練で、休憩なく歩けた」「食事の配膳を自力で完了できた」
・参加
→ 「地域の体操教室に参加し、友人と会話を楽しんだ」「家族の誕生日会でケーキを一緒に取り分けた」
こうした記録を積み重ねれば、ADLだけでは見えにくい生活の質や社会との関わりが、ケア記録としてしっかり残っていきます。
ICF的な視点を取り入れることで、ケアの質は大きく変わります。
1.利用者と家族に伝わる目標設定ができる
「体力向上のため歩行訓練」よりも「近所のスーパーに安心して行けるようになる」という表現の方が、利用者のやる気を引き出しやすく、家族にとっても成果がイメージしやすくなります。
2.多職種間の情報共有がスムーズになる
「歩行10分可能」に「買い物袋を持つと困難」といった具体性を加えるだけで、リハ職は筋力強化を、介護職は買い物同行支援を、と役割分担が明確になります。
3.小さな変化を成果として捉えられる
「外出が週1回から2回に増えた」「孫と会話する機会が増えた」など、ADLでは評価しにくい変化も、ICFの“参加”の視点で記録すれば、本人にとっての大切な生活の改善として見える化できます。
ICFは専門的に見えますが、実際には「その人の生活をどう支えるか」を整理するための実践的な道具です。
まずは記録に「できる/できない」だけでなく、「どんな場面で、どのようにできたか」を1行加えてみてください。これだけで記録はぐっと利用者らしさを映し出すものになります。
さらに「活動」と「参加」を意識して、「買い物に行けた」「家族と外食を楽しめた」といった生活のエピソードを残していくこと。それが利用者の生活機能を支えるケアを形にし、チームでの連携も深めます。
あなたの施設のケア記録は、利用者の“生活機能”をどこまで映し出せていますか?
