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〒561-0881
豊中市中桜塚2-25-12-205

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職員の負担を増やさず、“つながる仕組み”をどうつくるか
「ご家族と、じっくり話す時間は足りていますか?」
介護の現場では、ご利用者本人だけでなく、ご家族との関係づくりも欠かせません。しかし現実には、日々の業務に追われるなか、家族との面談や連絡が後回しになることもしばしばあります。
「もっと話を聞きたかった」「事前に分かっていればよかった」という声が、トラブルやクレームとして顕在化するケースもあります。
一方で、職員側も「言うべきことが多すぎる」「時間が取れない」という葛藤を抱えています。こうした行き違いの背景には、構造的な課題があるのです。
コロナ禍を経て、面会制限や感染対策が強化され、家族と施設の関係性は一時的に“遮断”された状態になりました。その結果、ご家族との信頼関係が希薄化し、介護への不安や疑問が増した施設も少なくありません。
面談や家族会は、そうした不安を和らげる重要な手段であるはずですが、現場では以下のような課題が指摘されています。
つまり、“つながる仕組み”がないまま、形式的な面談だけが残っているのが実情です。
私たち豊中市介護保険事業者連絡会では、家族会や面談のあり方を見直し、「報告と説明の場」から「自然な対話のきっかけとなる場」へと変えていくための支援や実践交流を重ねています。
市内の一部事業所では、日々の様子を写真やメモで簡単に記録し、面談時に見せるなどの方法が模索されています。職員が説明する前から、家族から「この時はどんな状況だったのですか?」と質問が出てくるような場面もあり、自然な対話の糸口となっています。
あらかじめ話題を設定せず、自由に話しやすい形式で面談を行っている施設もあります。「今日はどんな様子でしたか?」という問いかけから話題が広がるように、あえて構造化しすぎない工夫も取り入れられています。
家族会の案内や進行に関しては、文書やフォーマットを共有し、業務負担を軽減する工夫もされています。また、特定の職員だけに負担が集中しないよう、職員間で役割分担を行いながら、無理のない範囲で継続的に取り組めるよう配慮されています。
こうした取り組みは、“一方的に伝える”という従来の枠組みから脱却し、家族との信頼関係をより柔軟に築いていくための基盤となっています。
一方、全国ではICTを活用し、職員の手間を増やさずに家族と利用者がつながる仕組みの導入が進んでいます。以下は代表的な例です。
こうした仕組みによって、家族の関心や関わり方も大きく変化しています。
これにより、面談は「報告する場」ではなく、“ともに支援を考える場”へと変化してきています。
介護現場での家族対応は、もはや個々の職員のがんばりで成り立つものではありません。
仕組みやツールをうまく活用し、「会う」「話す」「知る」機会を日常に組み込むこと――それが、これからの介護における家族とのコミュニケーションの基盤です。
私たちはこれからも、“伝える”を越えた“つながる”介護を目指し、現場からできる取り組みを続けていきます。
