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2026.02.13

デイサービスの昼食ってどんなもの?実際の献立と栄養の工夫


目次

■ デイサービスの「昼食」は、実は一番の楽しみ

デイサービスを利用される方にとって、昼食は一日の中で最も楽しみにされる時間のひとつです。スタッフが声をかけるだけで笑顔になったり、献立表を見て「今日は何かな?」と話が盛り上がったり。
しかし、その裏側には“食べられること”を当たり前にしないための、専門職と現場スタッフの細やかな連携があります。単に食事を提供するだけでなく、「栄養」「嚥下」「安全」「リハビリ」「楽しみ」の五つの視点をバランスよく整える必要があるのです。

ここでは、デイサービスの昼食づくりの裏側から、実際の献立、そして「食べること」がリハビリになる理由までを紹介します。


■ 昼食づくりの裏側 ─ 栄養士と厨房スタッフが支える“食べる力”

● 栄養士が献立をつくるときに考えていること

デイサービスの多くでは、管理栄養士や栄養士が毎月の献立を作成します。考慮しているのは次のようなポイントです。

  • エネルギー・たんぱく質・塩分などの栄養バランス
  • 高齢者に不足しがちなビタミン・ミネラル
  • 誤嚥しにくい食材の大きさ・硬さ
  • 咀嚼力や嚥下機能に合わせた調理方法
  • 季節感、彩り、食材価格
  • 嗜好や宗教的制限、アレルギーの有無

「健康のために栄養を整えつつ、毎日食べたいと思える献立にする」ことが最大の工夫であり、栄養士の腕の見せどころです。

● 嚥下・病気に合わせた食形態の調整

同じメニューでも、利用者の状態によって形態が変わります。

  • 常食:一般的な食事
  • 軟菜食:やわらかく調理した食事
  • 刻み食:1〜2cm大にカット
  • とろみ食:誤嚥を防ぐために液体へとろみ付け
  • ミキサー食:嚥下機能低下時に使用

重要なのは「本人が安全に、美味しく、疲れすぎずに食べられること」。
そのために栄養士、看護師、介護スタッフが毎回の様子を共有し、食形態を微調整していきます。


■ 実際の人気メニューとその理由

● 行事食・季節食は鉄板の人気

デイサービスの昼食で圧倒的に喜ばれるのが、季節のイベントと結びついた食事です。

  • お正月:松花堂風おせち
  • 春:筍ご飯・山菜の天ぷら
  • 夏:そうめん、うなぎ風かば焼き
  • 秋:きのこご飯・さつまいも料理
  • 冬:鍋もの、シチュー、カレー

行事食には「季節を思い出す力」があり、利用者の会話が自然と広がります。
「昔は家でこんな料理を作っていた」「子どもと行った旅行先で食べた」など、食事と共に記憶が呼び起こされるのも、行事食の魅力です。

● 見た目・香り・思い出効果

高齢者の食欲は、味よりも“視覚”と“香り”で動きます。
唐揚げの香り、炊き込みご飯の湯気、色鮮やかな野菜…。
「おいしそう」「食べたい」と思える瞬間が、食事をとる意欲を大きく左右します。

また、「思い出効果」も大切です。
家庭料理、和食中心の味付け、おふくろの味──これらは利用者の多くにとって安心感につながります。
特に人気が高いのは以下のメニューです。

  • 焼き魚(塩サバ・鮭)
  • 煮物(筑前煮・かぼちゃ煮)
  • 肉じゃが
  • 鶏の照り焼き
  • おでん
  • カレーライス
  • オムライス(意外と人気)

「派手さ」より「馴染みのある味」が圧倒的に支持されるのが、デイサービスの昼食の特徴です。


■ 昼食が“リハビリ”になる理由

● 食べることそのものがADL訓練

食事は単なる栄養補給ではありません。
スプーンを持つ動作、食器を手前に引き寄せる動作、背筋を伸ばす姿勢保持、咀嚼による口腔の運動……これらはすべて「機能訓練」の一種です。

食事をとることによって、次のような効果があります。

  • 手指の巧緻性向上(スプーンや箸を使うことで)
  • 上半身の筋力維持(姿勢保持)
  • 嚥下機能の維持(よく噛む・飲み込む)
  • 認知面への刺激(味・香り・会話)

「リハビリ」と聞くと歩行訓練や筋トレをイメージしがちですが、
実は毎日の“食事”も大切な訓練のひとつなのです。

● 会話が増えれば、食欲も生活意欲も上がる

同じテーブルで食べると自然と会話が生まれます。
「この煮物おいしいね」「今日のご飯は豪華だね」などのやり取りが、食欲をさらに引き上げます。

食べる量が増えると筋力が維持され、歩行が安定し、活動量も上がる。
その変化がまた生活意欲を高め……と、良い循環が起こります。

反対に、ひとりで食べると食欲が落ちやすく、栄養状態が低下しやすいことは多くの研究でも示されています。
デイサービスでの“みんなで食べる昼食”には、こうした心理的・社会的な効果もあるのです。


■ 昼食は「ケア」であり「リハビリ」であり「楽しみ」

デイサービスの昼食は、単なる食事提供ではありません。
その裏には、栄養士の献立作成、食形態調整、厨房スタッフの衛生管理、介護スタッフによる食事介助や見守りなど、さまざまな専門職の連携があります。

同じメニューを囲むことで生まれる笑顔や会話。
食べる力を維持して、その人が家での生活を続けられるようにするための重要なケア。
そしてなにより、「今日も美味しかった」と言ってもらえることが、スタッフのモチベーションにもつながります。

毎日の昼食は、利用者の生活を支える大切な時間。
“食べる力を守ること=暮らしを守ること”と言えるほど、デイサービスにおける食事は中心的な役割を担っているのです。

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