「うちの介護士たちは、もっと評価されるべきだ」  

そう感じたことはありませんか？

高齢者の生活を支えるデイサービスや介護施設。  

その中で、最も利用者に寄り添い、日々の生活を支えているのが介護士です。

高齢化が進む現代社会において、デイサービスや介護施設は高齢者にとって「安心して暮らせる場所」としてますます重要な役割を担っています。

その現場で最も利用者に近い存在として、日々の暮らしを支えているのが介護士です。

「介護士の仕事は身体介助だけ」と思われがちですが、実際には生活支援のプロとして、心のケア、チームケアの中核、多職種との連携など、多岐にわたる役割と責任を担っています。

この記事では、デイサービスや介護施設における介護士の役割について、現場目線でわかりやすく解説していきます。

①生活支援のプロフェッショナル

介護士の基本的な役割は、利用者の生活を支えることです。

具体的には、食事・排泄・入浴・移動などの身体介助だけでなく、整容や更衣、生活環境の整備なども含まれます。

しかし本質は「何でもやってあげる」ことではありません。

利用者の自立を引き出す視点でサポートし、できる力を見極めながら支援するのが介護士の専門性です。

例えば、むせや誤嚥リスクを踏まえた食事介助、安心感を与える入浴時の声かけ、些細な変化を見逃さない観察力――それぞれの場面で、命と尊厳を守る判断とケアが求められます。

こうした日常的な関わりの中で、ちょっとした体調の変化や異変に気づけるのも介護士ならではの強みです。

利用者の生活リズムや習慣を把握しているからこそ、異常の早期発見にもつながります。

② 心に寄り添う”安心”の担い手

介護士の役割は身体面だけではありません。

利用者の「心のケア」も、非常に重要な仕事です。

高齢者の中には、身体の衰えや家族との距離感から、孤独感や不安を感じている方も多くいます。そうした気持ちに寄り添い、安心できる関係性を築くことが、介護士に求められます。

日々の声かけや会話、さりげないふれあいの中で、利用者の気分や心の変化に気づく力が大切です。特に認知症の方の場合は、言葉にならない不安や混乱を行動から読み取る力も必要となってきます。

また、レクリエーションやイベントの企画・参加を通じて、「楽しみ」「役割」「つながり」を提供するのも介護士の仕事です。

利用者にとって、「あなたがいてくれてよかった」と思ってもらえる存在であること。それが介護士の本質的な価値なのです。

③ チームケアの中核としての情報共有

介護施設は、多職種の連携によって支えられています。看護師、理学療法士、管理栄養士、生活相談員など、それぞれの専門性を活かした「チームケア」が理想です。

その中で介護士は、現場で最も長く利用者と接する存在です。だからこそ、利用者の状態や変化にいち早く気づき、他職種に共有する“情報のハブ”としての役割があります。

例えば、「最近食事の量が減っている」「歩行が不安定になってきた」など、日々の気づきをリハ職や看護師に伝えることで、早期の対応や予防に繋がります。

介護士の気づきをもとに、看護師が受診を促したり、理学療法士が新たなリハ計画を立てたりすることも多く、まさにチームの起点と言える存在です。

さらに、感染症対応や緊急時の初動でも、現場の最前線で活躍するのが介護士です。

まとめ

介護士の仕事は、単に身体を介助するだけの仕事ではありません。利用者一人ひとりの“生活そのもの”を支え、“その人らしさ”を尊重しながら、心身の両面から寄り添う専門職です。

生活支援の中で身体の変化に気づき、心のケアで安心感を生み、多職種との連携で質の高いケアへとつなげる――

その一つひとつが、介護士にしかできない「専門性のある支援」です。まずは、介護士一人ひとりの役割と価値に、もう一度目を向けてみてください。  

あなたの現場にある“日々の支援の力”が、施設の未来を変えていきます。

そんな未来のために、介護士の役割を改めて見つめ直してみませんか？