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2025.11.13

デイサービスや介護施設における理学療法士の役割とは

高齢化が進む中、要介護高齢者の生活を支える場として、デイサービスや介護施設の役割はますます重要になっています。そうした現場で、理学療法士(PT)の果たす役割も拡大しています。

しかし、「リハビリの専門家」としてだけでなく、施設運営やチームケアにおいても大きな力を発揮していることは、意外と知られていません。今回は、介護施設やデイサービスで働く理学療法士の役割について、5つの視点からご紹介します。

目次

① 理学療法士の基本的な業務とは?

理学療法士の主な業務といえば、「機能訓練」ですが、その内容は単なる運動指導にとどまりません。

デイサービスや介護施設では、利用者の“生活の質(QOL)”に直結する動作能力の維持・改善が求められます。

たとえば「トイレまで歩いて行ける」「ベッドから自力で起き上がれる」「安全に段差を越えられる」といった、日常生活に密着した動作が焦点になります。

理学療法士は、個々の利用者に対して動作分析を行い、身体機能や生活環境に合わせたオーダーメイドの訓練プログラムを作成します。訓練内容は、歩行訓練やバランス訓練だけでなく、転倒予防、関節可動域訓練、筋力強化、場合によっては呼吸機能へのアプローチなど、多岐にわたります。

② ケア全体を見渡す「多職種連携」のキーパーソン

介護現場では、介護職員、看護師、管理栄養士、相談員など、さまざまな職種が関わっています。その中で、理学療法士は身体機能や動作に関する専門知識を持つことで、他職種との橋渡し役となることができます。

たとえば「食事中に姿勢が崩れてしまう」「排泄介助のときに転倒リスクがある」といった場面では、理学療法士の視点から具体的な対策や環境調整を提案できます。また、リハビリの効果や利用者の状態変化をチームで共有することで、より的確で一貫性のある支援につながります。

③ 福祉用具・住宅環境へのアドバイスと調整

理学療法士は、単に身体を鍛えるだけでなく、「環境を整える」ことで利用者の能力を最大限に引き出す専門家でもあります。歩行器や杖の選定、車いすの調整、ベッド周りの環境設定など、日常生活を安全に送るための福祉用具の導入・調整において、理学療法士のアドバイスは非常に重要です。

また、訪問系サービスとの連携で、実際の居宅環境を確認したうえでの住宅改修(手すりの設置、段差の解消など)に関わることもあります。こうした取り組みは、転倒予防や自立支援の観点からも非常に効果的です。

④ 介護職員への動作介助・介護技術の助言

理学療法士は、介護職員に対する「動作介助」の教育や指導も担っています。誤った介助方法は、利用者にとっての危険だけでなく、介護職員自身の腰痛や負担にもつながります。

たとえば、立ち上がりの補助や移乗介助、歩行見守りの方法など、利用者の状態に合わせた適切な動作介助を理学療法士が助言することで、現場の安全性と効率性が向上します。特に新人職員や介護未経験者にとって、理学療法士のアドバイスは日々の業務に直結する学びとなります。

⑤ 利用者・家族への説明とモチベーション支援

機能訓練の効果を高めるうえで大切なのが、利用者本人やその家族の「納得」と「やる気」です。理学療法士は、身体機能の現状や訓練の目的、将来的な見通しなどを、専門用語をかみくだいて丁寧に説明し、利用者の理解と安心感を高めます。

また、できることが少しずつ増えていくことで、本人の自信や意欲にもつながります。理学療法士は、その変化に気づき、小さな成功体験を一緒に喜びながら、継続的なリハビリへの意欲を引き出す存在でもあります。

おわりに

デイサービスや介護施設での理学療法士の役割は、単なる「機能訓練の専門家」にとどまりません。

多職種と連携し、生活全体を見据えた支援を行う“チームケアの要”として、日々の現場を支えています。理学療法士が持つ専門性をチームで活かすことで、利用者にとっても職員にとっても、より安全で安心なケア環境が実現できるはずです。

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