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2025.10.25

働きやすい介護現場は“シフト”でつくる

〜柔軟な勤務体制とスポット人材活用による現場改革〜

介護業界では人材不足と定着率の低下が深刻な課題となっており、その背景には「働きづらいシフト体制」があります。多様なライフスタイルや家庭事情をもつ職員にとって、従来型の固定ローテーションは限界を迎えています。そこで今、注目されているのが柔軟なシフト設計スポット人材の活用です。


目次

シフトの構造的課題とは?

介護業界のシフト問題は単なる調整ミスではなく、以下のような構造的なボトルネックを抱えています:

  • 介護報酬の上限:人件費に制限があり、代打手当などの柔軟対応がしづらい
  • 人材不足と夜勤の偏り:2交代制夜勤が多く、負担が一部に集中
  • 法定基準と稼働要件の両立困難:労基法との整合をとるのが困難
  • 非正規依存と責任の分散不全:一部職員に業務が偏る
  • 精神論依存文化:「誰かが頑張る」が制度化されず、やりがい搾取に陥るリスク

これらは単なる努力や善意では解決できない課題です。


柔軟なシフト体制への取り組み

豊中市介護保険事業者連絡会では、シフト問題に対して以下のような工夫が共有・実践されています:

  • 勤務時間スライド制、短時間正社員の導入
  • 代打希望表の提出+ポイント制による評価
  • LINEやアプリによる希望収集と自動シフト化
  • シフト会議を“勤務時間内”とする明文化

これにより「協力が強制されない」「見える評価がある」「断れる安心」が整い、持続可能な協力体制が生まれています。


スポット人材活用という新たな選択肢

近年では「介護版タイミー」とも呼べる、スポット型介護人材の活用が広がりつつあります。

◯ 主なサービス例

  • カイテク/Ucare/キャリオスワンデー/MC介護のお仕事 など
  • 登録者数は20万人以上、有資格者多数、1日〜数時間勤務に対応

◯ メリット

  • 急な欠員に即対応できる柔軟性
  • 常勤職員の無理な残業を防ぐ
  • 採用コストの外部化、初期研修不要

◯ ハードル

  • 割高な人件費(通常の1.5〜2倍)
  • 勤務設計・業務マニュアルの整備が必要
  • 法令(労基法・派遣法)遵守と責任分担の明確化

マネジメント集中 × Wワーカー拡充という新モデル

常勤職員を「運営・管理」に集中させ、現場はWワーカー・スポット人材で“広く・短く”カバーするという人材配置モデルは、厚生労働省の「多様な働き方導入モデル事業」などでも推奨されており、政策的にも裏付けのある取り組みとして注目されています。

  • 正職員はケアマネジメント・評価・調整に集中
  • スポット人材は「今この時間だけ」に特化
  • 勤怠管理はICT化、業務はジョブ型に分解
  • チームで“責任”を持つ文化と仕組みの両立

活用できる助成金・補助金

柔軟な人材活用を支えるため、以下のような支援制度の活用が推奨されます:

  • 人材確保等支援助成金:制度整備・マニュアル化に(最大100万円)
  • 介護人材確保補助金(都道府県):ICT導入・職場環境改善に
  • キャリアアップ助成金:スポット→正社員転換支援(最大57万円/人)
  • 両立支援等助成金:Wワーカー導入に向けた制度整備費
  • IT導入補助金:シフトツール・自動勤怠導入費(最大450万円)
  • トライアル雇用助成金:スポット人材の試用雇用(最大12万円)

まとめ:シフト表から、介護現場の未来を変える

「人が足りない」という現場の声は、いまや全国共通の課題です。
その一方で、実は“働きたくても働けない”人材や、“短時間だけなら”という潜在層も存在します。
人がいないのではなく、“活かしきれていない”という構造課題として捉えることで、柔軟な人材設計が可能になります。

固定メンバーに頼りすぎる時代から、多様な働き方と支え合いの設計へ。地域連携のもとで、柔軟なシフトとスポット人材活用を両輪にした新しい介護現場が始まりつつあります。

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