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2025.10.13

多職種連携を促進するミーティングの進め方

目次

「形だけ」のミーティングになっていませんか?

「せっかく全員集まっても、誰も発言せず、時間だけが過ぎていく…」

「看護師やリハビリ職との情報共有がうまくいかず、同じ話を何度も繰り返してしまう…」

介護施設や在宅チームでの多職種ミーティングには、こうした悩みがつきものです。立場や役割の違いから意見が出にくくなったり、情報が偏ったりすることも珍しくありません。

そこで今回は、ミーティングを活性化し、多職種間の連携をスムーズにするための5つの工夫をご紹介します。会議の質が変われば、チームケアの質も必ず向上します。ぜひ、明日からの現場で取り入れてみてください。

なぜ多職種ミーティングはうまくいかないのか?

まず、現場のミーティングでよく見られる『つまずきポイント』を整理してみましょう。

・立場の違いから遠慮が生まれ、発言しにくい空気になる
・会議の目的が曖昧で、何を話すべきかわからない
・一部の人だけが発言し、他の職種との情報共有が不足する
・「報告会」で終わってしまい、具体的な連携や改善に繋がらない

ミーティングをするときにこういったことが起こりがちですよね。ただしこれらは、ちょっとした工夫で改善できることが多いのです。

意見が出る!多職種ミーティングを活性化する5つのコツ

① ミーティングの目的を事前に明確にする

「今日は情報共有だけ?」「方針決定もする?」「なんの会議なの?」と参加者が戸惑わないよう、目的は事前に共有しましょう。

「○○さんの在宅支援について方向性を決める」など、“何を話し合う場なのか”をはっきりさせることで、参加者は意見を出しやすくなります。

② ファシリテーターを決めておく

「会議を回す人」が曖昧なままだと、話が一部の人に集中したり、重要な議題が抜けてしまったりします。

そこで重要なのが、“ファシリテーター”の役割を担う人をあらかじめ決めておくことです。ファシリテーターは、単なる「司会」ではありません。参加者全員が安心して発言できるように場を整え、議論を整理し、話の偏りや脱線を防ぐ役目です。

慣れていない現場では、事前に簡単な進行メモ(流れや発言の順番)を作っておくと安心です。必要に応じて「この件について○○さんはどうですか?」と話を振るのも効果的です。

“対等に話し合える空気”をつくることが、連携の第一歩になります。

③ 各職種からアジェンダ(議題)を事前に集める

会議で「何を話すか」を事前に把握できていると、話し合いがスムーズに進みます。

介護士・看護師・リハ職などから簡単なアジェンダ(話したいこと)を事前に提出してもらうことで、重要な情報を逃さず話し合える場になります。

ミーティングの直前に「何か話したいことある?」と聞かれても、急には出てこないものです。それぞれの職種が抱える課題や報告事項は異なるため、事前に“議題(アジェンダ)”を提出してもらう仕組みをつくることが、会議をスムーズに進める鍵になります。

例として、以下のような形式がおすすめです。

・会議前日までに、簡単な議題記入フォーマット(紙 or デジタル)を共有
・項目は「対象者名」「話したい内容」「希望する対応」などシンプルに
・チーム内で共有し、ファシリテーターが当日の進行に活用

この方法により、「誰が何を話したいか」が明確になり発言の偏りや重複が減るので議題漏れや重要事項の見落としが防げます。特に訪問系のチームやシフト勤務の施設では、非同期で情報を集めることがミーティング効率を高めるコツになります。

④ 発言しやすい空気をつくる

ミーティングで意見が出ない原因の多くは、「何を言っても否定されない」という安心感=心理的安全性が欠けていることにあります。特に上下関係や専門分野の違いがある多職種間では、遠慮や不安から発言が控えられる傾向があります。

そこで、以下のような工夫で発言しやすい空気を意識的につくりましょう。

・話を遮らずに最後まで聞く

・意見に対してすぐ否定せず「そういう見方もありますね」と一度受け止める

・「ありがとうございます」「それ助かりますね」など感謝を口にする

・会議冒頭に「自由に意見を出してくださいね」とファシリテーターが促す

発言が活発なミーティングには、「否定されない」「どんな意見も大事にされる」という共通認識があります。小さな一言やリアクションの積み重ねが、発言しやすいチーム文化を育てていきます。

⑤ 議事録を共有ツールで“見える化”する

ミーティング後に「話はしたけど、何が決まったんだっけ?」「あの件、どうなった?」という混乱が起きていませんか?

こうした情報の抜けや行き違いを防ぐためにも、議事録の“見える化”は必須です。紙のメモでも十分ですが、よりおすすめなのは、全員がいつでも確認できるデジタル共有ツールの活用です。GoogleドキュメントやLINE WORKS、Dropbox Paperなどを使えば、誰でも簡単に議事録を確認・編集できます。

そうすることでチーム全体の認識が揃い、「言った・言わない」のトラブルも防げます。情報が透明で共有されていることは、連携の信頼性を高める第一歩です。

ミーティングを「つながる場」に

ミーティングは単なる『報告の場』ではなく、チームの方向性を合わせ、『つながるための貴重な時間』です。

少しの工夫で、現場の空気やチームの関係性が大きく変わることもあります。多忙な中で、毎回のミーティングをうまく進めるのは本当に大変なことです。

でも、チームがつながる時間をつくることが、利用者さんの安心や信頼にもつながります。

ぜひ、今回ご紹介した5つの工夫の中から「できそうなこと」から始めてみてください。

一歩ずつでも、多職種連携の質は確実に向上していきます。

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