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2026.03.15

2026年度に向けて、介護事業所が“やめてもいい業務・残すべき業務”

目次

〜現場を軽やかにし、本質的なケアを取り戻すための「断捨離」のすすめ〜

介護現場の風景を眺めていると、私たちはいつの間にか「増やすこと」ばかりに一生懸命になってはいないでしょうか。新しい加算のための書類、より丁寧な報告書、形骸化した会議。現場の職員が「忙しくて利用者様と話す時間がない」と嘆くとき、その原因の多くは、過去から積み上げられてきた「やめるタイミングを失った業務」にあります。

2026年度という新しい1年を目前に控え、今こそ管理者に求められているのは、業務を足すことではなく「引くこと」への勇気です。何を捨て、何を守るのか。その取捨選択こそが、これからの介護経営の質を決定づけます。

今回は、生産性向上という言葉の影に隠れがちな、現場を身軽にするための「業務の断捨離」について、その本質的な視点を提案します。


1. 「誰のための記録か」という問いから始める

介護現場で最も多くの時間を占めているのは、皮肉にも介護そのものではなく「記録」であるという現実があります。もちろん、法的根拠や多職種連携のために記録は不可欠です。しかし、その中には「念のために書いている」「昔からそうしていたから書いている」という、目的を失った文字が溢れてはいないでしょうか。

例えば、日誌の自由記述欄を埋めるために、職員が必死にひねり出している文章。そこに利用者様の「変化」や「想い」が宿っていないのであれば、それは思い切って簡略化すべき業務かもしれません。

うまくいっている事業所では、記録を「書くこと」から「選ぶこと」へとシフトさせています。本当に残すべき情報は何かを定義し、それ以外はチェック式や音声入力へと切り替える。記録の量を減らすことは、決して介護の質を落とすことではありません。むしろ、ペンを置くことで生まれた「目線」が利用者様に向くことこそが、ケアの質を向上させる近道なのです。


2. 形骸化した「会議」と「二重管理」を断捨離する

「とりあえず全員参加」という定例会議や、紙とデジタルが混在した二重のスケジュール管理。これらは現場のエネルギーを静かに、しかし確実に奪っていきます。

特に注意したいのは、良かれと思って導入したICTツールが、逆に業務を複雑にしているケースです。紙の申し送りノートを使い続けながら、同じ内容をPCにも打ち込んでいる。そんな「過剰な丁寧さ」を放置することは、職員のプロ意識を摩耗させます。

2026年度に向けて提案したいのは、意思決定のスピードを上げることです。1時間の会議を15分のスタンディングミーティングに変え、報告はチャットツールでリアルタイムに共有する。こうした「小さな断捨離」を積み重ねることで、現場には目に見えて「ゆとり」が生まれます。管理者が「この会議はやめよう」と宣言することは、職員に対して「あなたの時間を大切に思っている」というメッセージを伝えることでもあるのです。


3. 「地域という共有財産」に頼り、自前の努力を捨てる

自所だけで完璧なサービスを完結させようとする「自前主義」も、今や断捨離の対象かもしれません。自所で抱え込みすぎている研修の企画や、専門外の相談対応に、多くの時間が割かれてはいないでしょうか。

ここで重要になるのが、**「一般社団法人豊中市介護保険事業者連絡会」**のような地域のプラットフォームを、自所の「外部リソース」として使いこなす視点です。

例えば、独自の内部研修を必死にゼロから構築するのではなく、連絡会が提供する質の高い共同研修をフル活用する。あるいは、特殊な症例への対応に頭を抱えるのではなく、地域のネットワークを通じて専門性の高い事業所のアドバイスを仰ぐ。

すべてを自前で行う必要はありません。むしろ、「ここは地域の力に頼る」と決めることで、自所のスタッフは「その事業所ならではの強み」に集中できるようになります。地域という大きなゆとりの中に自所を置くことで、過剰な自意識や責任感から現場を解放し、経営の「幅」を広げることができるのです。


4. 最後まで残すべき「聖域」を見極める

業務を削ぎ落としていく中で、決して捨ててはならない「聖域」があります。それは、利用者様との「魂の触れ合い」が生まれる時間です。

作業を効率化するのは、単に早く帰るためだけではありません。効率化したことで生まれた10分間を、一人の利用者様の手を握り、ゆっくりと話を聴く時間に充てる。この「非効率な時間」こそが介護の本質であり、職員が仕事にやりがいを感じる源泉です。

デジタルを導入し、会議を減らし、地域の力を借りる。それらすべての目的は、最後まで残すべき「人と人との関わり」を豊かにすることに他なりません。


結び:身軽になった組織にこそ、新しい風が吹く

2026年度、あなたの事業所はどのような姿でありたいでしょうか。 もし「今のままではいけない」と感じているなら、まずは目の前のデスクの上や、長年の慣習の中に潜む「不要な業務」を一つだけ見つけてみてください。

「やめること」は、勇気がいる仕事です。しかし、管理者のあなたがその一歩を踏み出すことで、現場の職員は重たい荷物を下ろし、再び笑顔で利用者様の前に立つことができるようになります。

余分な枝を切り落とした木が、次の春に力強い新芽を吹くように。断捨離を経て身軽になったあなたの事業所には、きっと新しい、希望に満ちた風が吹き抜けるはずです。

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