1. TOP
  2. Blog
  3. ブログ記事
  4. 2025年度を振り返る。「うまくいった事業所・苦しかった事業所」の境界線はどこにあったのか?

ブログ・活動アーカイブ

2026.03.03

2025年度を振り返る。「うまくいった事業所・苦しかった事業所」の境界線はどこにあったのか?

目次

〜地域とのつながりを経営戦略に変える“振り返りの視点”の提案〜

2025年度もいよいよ締めくくりの時期を迎えました。 介護報酬改定から1年が経過し、現場のオペレーションに追われながらも、物価高騰や人手不足といった外部環境の変化に翻弄された1年だったのではないでしょうか。経営の舵取りを担う管理者の皆様の心労は、察するに余りあるものがあります。

この年度末という節目に、あえて自組織の「内側」の数字だけを見るのではなく、視点を少し広げて、地域という「外側」との関わりも含めて1年を振り返ってみることを提案します。

全国の事業所を俯瞰すると、安定した経営を維持し、職員の活気を守っている組織にはある共通の傾向が見えてきます。それは、「自前主義(自所だけで解決しようとすること)」から脱却し、地域というプラットフォームを経営戦略に賢く取り入れているという点です。

本記事では、2025年度の総括として、3つの切り口から「来年度をより良くするための視点」をご提案します。


1. 現場運営: 「デジタル活用」を孤立させていませんか?

2025年度は、介護現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)がかつてないスピードで進んだ年でした。しかし、その「成果」には大きな差が出始めています。

「自所完結」の限界を超える視点

ICT(情報通信技術)の導入がうまくいっている事業所は、それを単なる「事務作業の省力化ツール」としてだけでなく、**「地域との連携を深めるためのインフラ」**として捉えていたように感じられます。

  • 振り返りの問いかけ: 導入したシステムは、ケアマネジャーや往診医、あるいは近隣のサービス事業所とのコミュニケーションをスムーズにしましたか?
  • 提案する改善のヒント: 記録をデジタル化した結果、関係者への情報共有がスピードアップし、「あの事業所は状況把握が的確でレスポンスが早い」という信頼を勝ち取った事例があります。もしデジタルツールを入れたのに「現場の忙しさが変わらない」と感じるのであれば、それは「自所内の作業」をデジタルに置き換えただけで、外部との連携コストを削減する段階に至っていないのかもしれません。来年度は「つながるためのIT」という視点を持ってみるのはいかがでしょうか。

2. 人材戦略: 「心理的安全性」を地域で育てる発想

深刻な人手不足は、もはや一事業所の努力だけで解決できるレベルを超えています。こうした時代に人材が定着している事業所には、組織内の風通しの良さに加え、職員が「外の世界」と健やかに接する機会があるという特徴があります。

「閉じない組織」が職員の心を守る

離職率が低い組織では、管理者が職員一人ひとりの声に耳を傾ける「心理的安全性」を大切にする一方で、職員を積極的に「地域の学びの場」へと送り出していました。

  • 振り返りの問いかけ: 職員の皆様は、自所の常識や目の前の課題に縛られすぎて、行き詰まりや閉塞感を感じてはいませんでしたか?
  • 提案する改善のヒント: 他の事業所のスタッフと交流し、「悩んでいるのは自分たちだけではない」と知ることは、職員にとって大きな救いになります。外部研修や地域の勉強会で得た知見を自所に持ち帰るサイクルを作ることで、職員は「この職場は自分の成長を応援してくれている」という実感を持ちやすくなります。職員の視野を広げることが、結果として自所への帰属意識を高めることに繋がるのです。

3. 経営戦略: 「地域のつながり」を武器に変える勇気

2025年度、最も大きな差がついたのは、**「地域のプラットフォームをどう活用したか」という点ではないでしょうか。例えば、豊中市において先進的な役割を果たしている「一般社団法人豊中市介護保険事業者連絡会」**のような組織との関わり方です。

競合から「共創」へのパラダイムシフト

「隣の事業所はライバル(敵)」と捉えるか、「地域を支えるパートナー」と捉えるか。このマインドセットの違いが、経営戦略の「幅」を決定づけます。

  • 振り返りの問いかけ: 連絡会などの集まりに、単なる情報収集のために参加するのではなく、地域の課題を共有し、共に解決策を探る姿勢で臨めたでしょうか?
  • 提案する戦略の幅:
    1. 相互補完によるリスク分散: 自所では対応が難しいケースでも、地域の横のつながりがあれば、得意とする事業所へ適切にバトンタッチできます。無理な引き受けによる現場のパンクを防ぎつつ、利用者様に最適な選択肢を提案できるのです。
    2. 共同での人材確保・育成: 一事業所では予算的に厳しい専門研修も、連絡会のネットワークを活用すれば、質の高い講師を招いた共同研修が可能です。また、地域全体で介護の魅力を発信することで、広域からの人材流入を促すことができます。
    3. 制度改正への集団対応: 複雑な加算取得やBCP(業務継続計画)の策定など、一人で悩むには重すぎる課題も、連絡会の仲間と知見を共有し合うことで、管理者の孤独な事務負担を劇的に軽減できます。

これからの時代、「地域に開かれた事業所」こそが、最も変化に強く、持続可能な経営を実現できる。私たちはそんなフェーズに立っているのかもしれません。


4. 総括:2026年度を「つながり」でリデザインするために

振り返りとは、単に過去に点数をつける作業ではありません。2025年度に感じた「苦しさ」の正体が、もし「すべてを自所だけで抱え込もうとしたこと」にあるのなら、来年度の戦略は自ずと見えてくるはずです。

年度末の喧騒の中、一息ついて以下の「5つの問い」をリーダー陣と共有してみてはいかがでしょうか。

  1. 「今年、地域の連絡会などで得た情報が、具体的に現場の改善に繋がったか?」
  2. 「近隣の事業所と、困ったときに『助けて』と本音で言い合える関係があるか?」
  3. 「自所の強みを、地域のケアマネジャーが他者に自信を持って説明できるほど伝えられたか?」
  4. 「職員が外部の勉強会で得た刺激を、職場で自由に共有し、賞賛する文化があるか?」
  5. 「管理者の私が、地域という広い視野で、自所の役割を定義し直せているか?」

結び:孤独な経営から、地域共創型の経営へ

2025年度がどのような1年であったにせよ、その経験は地域の中で分かち合われることで、次年度への確かな糧となります。

一事業所では解決できない壁も、**「一般社団法人豊中市介護保険事業者連絡会」**のような地域のプラットフォームというレバレッジを効かせれば、軽々と越えていける可能性があります。「自前主義」から「地域共創」へ。そんな新しい経営戦略の形を、2026年度の構想に加えてみるのはいかがでしょうか。

皆様の事業所が、地域と共にさらなる飛躍を遂げる1年になることを心より応援しております。

リアルハブイベントを主催し、豊中を⁨⁩一緒に盛り上げてくださる方を募集しています。過去に開催されたイベントなど気になる方はこちらをチェック!

目次