前回は、より良い介護サービスを目指し介護職員のスキルアップを図る取り組みについて紹介しました。しかし、介護業界全体として「人材不足」という課題を抱えるなかで、限られたスタッフでより良いサービスを提供していくためには、職員一人ひとりの介護スキル向上だけでなく、チームや組織全体としての業務効率化も欠かせません。
そこで今回は、介護業務を効率よく進めるためのアプローチについて紹介します。限られた時間と人員のなかでも質の良い業務を目指し、より一層地域福祉に貢献していきたいとお考えの方はぜひご覧ください。
そもそも「業務効率化」はどうして必要なのか?
介護保険事業者にとって日々の業務は多岐に渡ります。限られた時間と人員のなかで幅広い業務をスムーズに進めていくためには、各業務のスピードアップや業務全体の最適化が必要です。また、業務を効率化できると気持ちの余裕も生まれ、利用者一人ひとりに対してより丁寧に向き合えるようになるでしょう。結果としてサービスの質が高まり、利用者や地域住民にとって安心感のある頼れる存在となれるのです。
チームリーダー必見!業務効率化に役立つアプローチ4選
「スタッフが働きやすい環境を整えたい」「もっとスムーズに業務が進む仕組みを作りたい」などといった課題を抱えているリーダー層は多いでしょう。ここでは業務効率化に役立つアプローチを4つ紹介します。
- 効率的なスケジュール作成
チームや組織全体の業務がスムーズに進むためには、時間の使い方が鍵となります。以下のポイントを踏まえて効率的な業務スケジュールを組み立てると良いでしょう。
・優先順位をつける
全体の業務を洗い出し、優先順位をつけることが重要です。緊急性が高い業務や他の業務と連動しているものは早い段階で完了させる必要があります。一方、時間に余裕がある業務や後回しにしても影響が少ないものは適切に順位を下げることで、重要な業務に集中できるでしょう。
・タイムブロッキング
時間をブロック(区切り)に分けて業務を管理する方法です。あらかじめ業務時間が決まっていることで集中して取り組みやすくなります。似た業務を同じブロック内でまとめて行うことでより生産性も上がるでしょう。
- チームワークの強化
介護業務はチームで行うことが多く、職員同士の協力が欠かせません。チーム内での業務分担や情報共有を徹底し、スタッフ一人ひとりが自分の役割を認識することでスムーズに業務が進むでしょう。ミーティングなど定期的な場だけでなく、こまめに報連相をしあうなど日頃のコミュニケーションも大切です。
- テクノロジーの活用
ICT(情報通信技術)の導入も業務効率化に大いに役立ちます。例えば、介護記録やシフト管理をデジタル化することで、情報の一元管理が可能となり、必要なデータを瞬時に確認できるようになります。効果的なITツールの活用により、業務負担が軽減され、職員はより多くの時間を利用者のケアに充てることができるでしょう。
- 定期的な振り返り
「想定より時間がかかった業務はないか?」「スタッフがやりにくさを感じている業務はないか?」などを定期的に振り返ることも効果的です。週の終わりや月末などタイミングを決めて、改善できそうな点はないか考えてみましょう。職員ごとやチームごとにこのような振り返りを行うことで、業務の最適化が期待できます。
一人ひとり、一瞬一瞬の質を高め、より良いサービスを届けていこう
効率的な業務遂行は質の高い介護サービスを提供するための基盤です。今回ご紹介した取り組みを参考に、自施設の課題や強みに応じてできることから取り組んでみてください。限られた人員や時間のなかでも、一人ひとりの意識や行動、一瞬一瞬の質を高め、地域福祉へのより一層の貢献を目指していきましょう。
豊中市介護保険事業者連絡会としても様々な取り組みを通して、市内の介護保険事業者の皆様のサービス向上や、人材不足などの課題解決のお役に少しでも立てるよう努めてまいります。お困り事やご要望等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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