前回は、介護現場における業務効率化についてお話しし、効率化に役立つアプローチの一つとして「テクノロジーの活用」を紹介しました。
*前回の記事はこちら:業務を効率化し、より良い介護サービスを目指すためには?
そこで今回は、より詳しく介護業界におけるテクノロジーの活用法について紹介したいと思います。「スタッフの業務負担を減らしたい」「時間のかかる事務作業を少なくして、利用者のケアに充てる時間を大切にしたい」とお考えの施設経営者や管理者の方はぜひご覧ください。
テクノロジーを活用して業務効率化を図る「DX(デジタルトランスフォーメーション)」
効果的にテクノロジーを活用し業務プロセスを改革することを「DX(デジタルトランスフォーメーション)」と言います。人材不足が課題の介護業界において職員の業務負担を減らしながら、サービスの質を保つためにはこのようなテクノロジーを積極的に活用した業務改革が必要なのです。
介護現場におけるDX化の具体例
具体的にどんなテクノロジー技術を介護現場に取り入れることができるのでしょうか?介護職員の業務負担を減らしつつもサービスの質を保つのに役立つ6つの事例を紹介します。
- 介護記録のペーパーレス化
従来の紙ベースの記録をタブレットやスマートフォンを用いて電子化することで、記録の時間を大幅に短縮し、関係者間での情報共有も容易になります。
- 介護報酬請求のデジタル化
複雑な介護報酬の請求業務をデジタル化することで、請求漏れを防ぎながら事務作業全体の負担が軽減されます。
- 介護計画書作成支援ツール
AIを活用した専用ツールを導入することで、利用者のデータに基づいた計画案を迅速に作成でき、ケアの実践や改善のほうに充てる時間を増やせます。
- 見守りセンサーの活用
身体の状態や行動をモニタリングし、異常を早期に発見するためのセンサーを活用することで転倒などのアクシデントの予防に役立ちます。
- 介護ロボットの導入
移乗や歩行支援を行うロボットが導入され、職員の身体的負担を軽減すると同時に、利用者の自立を促進します。
- 遠隔医療
情報通信技術を用いて、介護施設にいながらも医師の診療を受けられるサービスです。通院が難しい高齢者にとって医療サービスが受けやすくなります。
テクノロジーに頼りながら本質的な業務に集中し、サービスの質を高めていこう
こうしたテクノロジーをうまく活用することで、介護職員の事務作業の量や所要時間が削減し、その分の時間を利用者とのコミュニケーションやケアに充てられるようになります。
介護テクノロジーは今後ますます進化していくでしょう。私たち介護保険事業者にとって、こうした時代の流れに乗った業務改革は地域福祉を支えていくうえで欠かせない姿勢だと思いますので、ぜひ一緒に介護現場のDX化についても学んでいきましょう。
「うちではこんなテクノロジーを導入しています!」といった情報提供や「他の施設ではどんな取り組みをしているのだろう?」といったことを情報交換する機会も大歓迎です。
*豊中市介護保険事業者連絡会へのお問い合わせはこちら
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